
2020/03/15
CFD取引の税金 | 特定口座・損益通算・損失繰越・経費・確定申告などを解説
この記事は、CFD取引の税金・特定口座・損益通算・損失の繰越し・経費・CFD取引の確定申告やり方について簡単に解説した記事です。
記載内容は、2022年03月15日時点での情報になります。
確定申告の条件は個人によって異なり、税制に関する法令は毎年改正されますので詳しくは専門家(税務署・税理士)へのご相談をおすすめいたします。
記事の目次
確定申告とは?
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間を課税期間として、その期間内すべての所得(収入・支出・医療費・扶養家族など)を計算した確定申告書を税務署へ提出し、納付すべき所得税額を確定させることです。
CFD取引の税金

CFD取引で利益を出した時は、原則確定申告をし納税する必要があります。
CFD取引の税金は、雑所得に区分され申告分離課税が適用されています。
申告分離課税とは、ほかの所得と合算せず取引売買によって得た利益のみに課税する方法で税率は、20.315%です。
CFD取引の税率は、現在20.315%で内訳は「所得税15%」「住民税5%」「復興特別所得税0.315%」となっています。 |
確定申告が不要なケース
会社員 | ・年末調整を受けている ・年収 2,000万円以下 ・給与所得以外の所得が20万円以下 |
扶養家族 | ・所得が48万円以下 |
年金生活者 | ・年金等の収入が400万円以下 ・年金等の収入以外の所得が20万円以下 |
確定申告が必要なケース
会社員 | ・年収 2,000万円以上 ・給与所得以外の所得が20万円以上 |
扶養家族 | ・所得が48万円以上 |
年金生活者 | ・年金等の収入が400万円以上 ・年金等の収入以外の所得が20万円以上 |
会社員と年金生活者は、CFD取引などで20万円以上の所得がある場合、原則確定申告をする必要があります。
扶養家族(主婦・学生などで給与所得のない方)の場合は、CFD取引などで48万円以上の所得がある場合、原則確定申告をする必要があります。
48万円を超えてしまうと、配偶者控除や扶養関係で適用される税制が変わるため注意が必要です。
またお住まいの地域によっては、48万円以下の所得でも住民税がかかる場合があります。
CFD取引で確定申告が不要な場合でも、住宅ローン控除・医療費控除等がある場合には確定申告をする必要があります。
確定申告の条件は個人によって異なりますので、自身がどれに該当するのか不明な場合には、専門家(税務署・税理士・区役所・市役所など)へのご相談をおすすめいたします。
CFD取引の税金 特定口座(源泉徴収)

特定口座制度は、株式取引等に適用される制度でデリバティブ取引に分類されるCFD取引は特定口座制度の対象外で源泉徴収制度もありません。
CFD取引の確定申告は、証券会社から発行される「年間取引報告書」をもとに行います。
CFD取引の税金 損益通算
CFD取引は、損益通算ができます。
損益通算とは、利益と損失を相殺することで、例えばCFD取引で100万円の利益を出しFX取引で50万円の損失を出した場合、利益と損失を差し引きして残った利益の50万円が課税対象になります。

※CFD取引の損益通算は、同じ雑所得(申告分離課税)に区分されるデリバティブ取引(先物・オプション・CFD・国内FX など)のみが対象です。
国税庁 / 損益通算
CFD取引の税金 損失繰越し(繰越控除)
CFD取引は、損失繰越しができます。
損失繰越し(繰越控除)とは、損益通算をしても利益より損失が大きく年内の取引損益がマイナスになる場合、損失を翌年以降に持ち越し後々の利益と相殺させることができます。

例えば今年CFD取引で100万円の損失を出した場合、翌年以降(3年間)に100万円の損失を持ち越し損益通算ができます。
繰越控除の期間は3年間で、4年目に入った繰越し分は消滅してしまいます。
また繰越控除の適用を受けるには、利益のありなしに関わらず毎年確定申告が必要になります。
国税庁 / 繰越控除
CFD取引の税金 経費計上できるもの

CFD取引は、経費が計上できます。
CFD取引は、雑所得(申告分離課税)に区分されるので、利益を出すために掛かった費用を「経費」として計上することが認められています。
・パソコンの購入費用(使用割合のみ)
・モバイル端末の購入費用(使用割合のみ)
・新聞、雑誌等書籍の購入費用
・勉強会などの参加費用(交通費・宿泊代含む)
・飲食を伴う懇親会費用
最終的な判断は税務署になりますが、上記は一般的にCFD取引の経費として認められています。
※経費は繰越しができないので、年度内で計上する必要があります。
CFD取引の税金 確定申告の期限はいつ?
1月1日から12月31日までの取引が確定申告の対象となる期間で、確定申告の時期は翌年の2月16日から3月15日までの約1か月間です。
また税金の納付期限も原則 3月15日までとなっています。

税金の納税方法は、クレジットカード納付・QRコードを利用したコンビニでの納付・金融機関又は税務署窓口での現金納付などがあります。
国税庁 / 税金の納付
国税庁 / クレジットカード納付
CFDとビットコイン(暗号資産)の税金

ビットコイン(その他暗号資産)の税金は、雑所得(総合課税)で給与所得など他の収入と合計した額に応じて税率が決まる累進課税です。
ビットコインCFD取引も雑所得(総合課税)に区分されています。
ビットコイン(その他暗号資産)は、年度内かつ同じ税区分での損益通算はできますが、税区分の違うCFD取引や株式取引等との損益通算は認められていません。
またビットコイン(その他暗号資産)は、損失の繰越し(繰越控除)もできません。
< 累進課税 税率表 >
合計所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
※ビットコイン(その他暗号資産)は、所得金額に関係なく住民税の10%が一律で加算され最大税率は55%になります。
国税庁 / 所得税の税率表
所得の種類と課税方法
金融取引関連の所得種類と課税方法は、大きく3つに区分されています。
CFD取引は雑所得(申告分離課税)に区分されていますが、ビットコイン(暗号資産)CFDや海外FXは同じ雑所得でも(総合課税)に区分されている点には注意が必要です。
雑所得(総合課税)
・ビットコイン(暗号資産)
・ビットコイン(暗号資産)CFD
・海外FX
・
・税率 / 累進課税(最大55%)
・損失の繰越し / 不可
・損益通算 / 同じ区分で年度内のみ可
・経費計上 / 可
・特定口座 / なし
雑所得(申告分離課税)
・CFD
・先物
・オプション
・FX
・税率 / 20.315%
・損失の繰越し / 可
・損益通算 / 同じ区分のみ可
・経費計上 / 可
・特定口座 / なし
譲渡所得(申告分離課税)
・上場株式
・ETF / REIT
・投資信託
・国債
・税率 / 20.315%
・損失の繰越し / 可
・損益通算 / 同じ区分のみ可
・経費計上 / 原則不可
・特定口座 / あり
※上場株式、ETF / REIT、投資信託、国債等の配当・分配金・利子などは、それぞれ税金のかかり方に違いがあります。
国税庁 / 所得の種類と課税方法
CFD取引の確定申告やり方

CFD取引の確定申告は、国税庁公式ページにある「確定申告書等作成コーナー」から簡単に行うことができます。
確定申告の大まかな流れは、下記の①②③になります。
① 必要書類の準備
・年間取引報告書
・源泉徴収票
・必要経費等(レシート及び領収書)
・社会保険料の控除証明書
・マイナンバーカード等(個人識別番号がわかるもの)
② 確定申告書の作成
画面の案内に従って必要事項と金額等を入力するだけで確定申告書の作成ができます。
確定申告書等作成コーナー
③ 確定申告書の提出
提出方法は3種類から選択することができます。
・e-Tax マイナンバーカード方式 データ送信 提出
・e-Tax ID・パスワード方式 データ送信 提出
・所管の税務署に郵送または持参
毎年の確定申告を簡単にしたい方には、確定申告自動化ソフトなどがおすすめです。
確定申告自動化ソフトを使うと作業時間を大幅に削減して、面倒な作業をすべて自動化できます。
CFD取引の税金まとめ

最後にCFD取引税金の要点を簡単にまとめていますのでご確認ください。
CFD取引で利益が出たら、原則確定申告をして納税しないと、追徴課税やうっかりミスでも悪質と判断された場合には、最悪のケースですが脱税で逮捕となり得ますので、税制はしっかりと理解した上でCFD取引を行いましょう。
CFD取引の税金
会社員と年金生活者は、CFD取引などで20万円以上の所得がある場合、原則確定申告をする必要があります。
扶養家族(主婦・学生などで給与所得のない方)の場合は、CFD取引などで48万円以上の所得がある場合、原則確定申告をする必要があります。
48万円を超えてしまうと、配偶者控除や扶養関係で適用される税制が変わるため注意が必要で、お住まいの地域によっては48万円以下の所得でも住民税がかかる場合があります。
CFD取引の税金 特定口座(源泉徴収)
特定口座制度は、株式取引等に適用される制度でデリバティブ取引に分類されるCFD取引は特定口座制度の対象外で源泉徴収制度もありません。
CFD取引の税金 損益通算
CFD取引は、損益通算ができます。
CFD取引の損益通算は、同じ雑所得(申告分離課税)に区分されるデリバティブ取引(先物・オプション・CFD・国内FX など)のみが対象です。
CFD取引の税金 損失繰越し(繰越控除)
CFD取引は、損失繰越しができます。
損失繰越し(繰越控除)とは、損益通算をしても利益より損失が大きく年内の取引損益がマイナスになる場合、損失を翌年以降に持ち越し後々の利益と相殺させることができます。
CFD取引の税金 経費計上できるもの
CFD取引は、経費が計上できます。
最終的な判断は税務署になりますが、パソコンの購入費用(使用割合のみ)、モバイル端末の購入費用(使用割合のみ)、新聞、雑誌等書籍の購入費用、勉強会などの参加費用(交通費・宿泊代含む)、飲食を伴う懇親会費用などが一般的にCFD取引の経費として認められています。
経費は繰越しができないので、年度内で計上する必要があります。
CFD取引の税金 確定申告の期限はいつ?
1月1日から12月31日までの取引が確定申告の対象となる期間で、確定申告の時期は、翌年の2月16日から3月15日までの約1か月間です。
また税金の納付期限も原則 3月15日までとなっています。
CFDとビットコイン(暗号資産)の税金
ビットコイン(その他暗号資産)の税金は、雑所得(総合課税)で給与所得など他の収入と合計した額に応じて税率が決まる累進課税で、ビットコインCFD取引も雑所得(総合課税)に区分されています。
ビットコイン(その他暗号資産)は、年度内かつ同じ税区分での損益通算はできますが、税区分の違うCFD取引や株式取引等との損益通算は認められていません。
またビットコイン(その他暗号資産)は、損失の繰越し(繰越控除)もできません。
所得の種類と課税方式
金融取引関連の所得種類と課税方法は、大きく3つに区分されています。
雑所得(総合課税)、雑所得(申告分離課税)、譲渡所得(申告分離課税)などがあります。
CFD取引の確定申告やり方
CFD取引の確定申告は、国税庁公式ページにある「確定申告書等作成コーナー」から簡単に行うことができます。
毎年の確定申告を簡単にしたい方には、確定申告自動化ソフトなどがおすすめです。
確定申告自動化ソフトを使うと作業時間を大幅に削減して、面倒な作業をすべて自動化できます。
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